ひがし茶屋街の歴史

ひがし茶屋街は文政三年(1820)に12代藩主、前田斉広(なりなが)の許しを得て、金沢に点在していたお茶屋を集めて、公認の遊里として誕生させたのが始まりとなります。
その当時は約百軒以上のお店が軒を連ね、茶街一帯が板塀を囲われ、街の入口として木戸が設けられるなど、別天地ともいえる金沢の歓楽地として大いに賑わっておりました。
度々の建築や建物構造の法令改正でも、ほとんど変わることなく、格子戸や大戸、格式ある二階の造りが高い街並みは現在でも藩政時代の面影を残しています。そしていま、ひがし茶屋街は国の「重要伝統的建造物群保存地区」に指定されています。

周辺のみどころ紹介
ほやさけ周辺 玉とみ 宇多須神社 東山ビューポイント 徳田秋聲記念館 雀 東湯 きむら 滝の白糸像 浅野川河畔 主計町周辺 泉鏡花記念館

「ほやさけ」の隣には同店「手打蕎麦ほやさけ」と、施設1階に郷土料理店「みずほ」がございます。
『手打蕎麦ほやさけ』
■営業:11:00~17:00(麺切れにより終了)
■定休:不定
■TEL:076-253-0231
『みずほ』
■営業:18:00~22:00/11:30~14:30(土・日・祝日のみ)
■定休:月曜・第二火曜
■TEL:076-251-7666

昼間は甘味処として、夜は酒処として。180年前からあるお茶屋の建物をそのまま活かし、芸妓さんたちが寛いでいた居間部分をカウンターに仕立ててあります。すこし敷居が高く感じる茶屋街のなかで、女性グループや観光客にも気軽に金沢の雰囲気を楽しんでいただけます。
■営業:18:00~24:00/11:30~15:00(金・土・日のみ)
■定休:月曜
■TEL:076-251-3686

卯辰山の寺院群の入口、まさに巡礼街道の入り手ともいえる場所に、ひがし茶屋街を見守る神社があります。茶屋街の歴史を静かにみつめるこの神社では、近隣の人々の心のよりどころとしてだけでなく、町屋ウェディングの際に婚礼の儀が行われるなどにわかに話題を呼んでいます。古くは加賀藩・前田家とも関係のある藩社であり、様々な伝説も多く残っています。
■参拝料:無料

ひがし茶屋街を抜けて左手、山際に向かっていくと坂のある風景が見えて参ります。古にはお百度参りが頻繁に行われていたという「観音坂」と呼ばれる坂や、様々な逸話が残る寺院などがあり、その周辺、少し小高い丘から見る東山界隈の眺望がとても素敵です。

俗に玄人の文学と呼ばれる、真実を問う文学者、秋聲の記念館です。その文章の技巧の高さとともに、様々な視点からの描写、とくに庶民の生活に密着した作風を特徴としています。また、女性の生き方をテーマに、女性を描くことの上手い作家としても知られています。
■料金:一般300円、65歳以上200円
■営業:9:30~17:00(受付は16:30まで)
■定休:催し物による
■TEL:076-251-4300
徳田秋聲記念館

お茶屋文化の華やかなざわめきや息づかいを、「お座敷体験」として体感できるお店です。季節の食材を使ったお食事や、お酒、お茶とお菓子を愉しみながら、おどり、芸妓との語らいなど、お茶屋のおもてなしの心をご堪能ください。お料理、お座敷体験とも予約制となっております。
■要予約
■定休:不定休
■TEL:076-251-4863(予約制)

長年地元民や観光客から愛される昔ながらの銭湯。ゆったり懐かしい気分に浸ることができます。
■料金:440円
■営業:13:00~24:00
■定休:毎週月曜日(祝日の場合も休業)、1月1日
■TEL:076-252-2659

茶屋街のメインの通りの中ほどの道を右に見ると、「きむら」の大きな看板が見えます。何とも言えないレトロな趣あるこのお店には、創業50年以上にもなる駄菓子と日用雑貨のお店で、ひがし茶屋街にゆったりとした昔ながらの風情を添えています。お風呂の行き帰りや散策の途中に、ぜひお立ち寄りください。
■営業:8:00〜21:00
■定休:不定休
■TEL:076-252-2935 )

浅野川のせせらぎのほとりに、泉鏡花の『義血侠血』の主人公のブロンズ像があります。明治二十七年に新派に取り上げられて以来「滝の白糸」の外題で人気を集め、物語の幽玄さや素晴らしさ、記憶に残る水芸の名演に魅了された人がいまでも多くの方が訪れていらっしゃいます。ちなみに滝の白糸の水芸は金沢で毎春開催される「浅野川園遊会」の演目でも上演され、人気を博しています。

五木寛之をはじめ、文学者や芸術家がこぞって題材に挙げた浅野川。ゆるやかな流れで景観も美しく、地元民ならずとも多くの人に愛されています。京都の加茂川にも似たこの河畔を歩けば、川と生活を共にしてきた人々の様式が感じられることでしょう。

全国で初めて旧町名が復活した町である主計町(かずえまち)は、ひがし・にしとともに金沢の三大茶屋街と称されております。川のほとりに料亭や茶屋が立ち並び、街中でありながら静かでもの優しい空間となっています。迷路のような狭い路地など、異世界とも思える空間が広がっています。

金沢を代表する文豪のひとり、情緒的で耽美な作風の文学者、鏡花の記念館です。鏡花は江戸文芸の影響を深くうけた怪奇趣味と特有のロマンティシズムな作風を多く残しています。この記念館は鏡花が幼少時代を過ごした生家跡に建ち、鏡花の作品や生活を窺い知ることができます。
■料金:一般300円、65歳以上200円
■営業:9:30~17:00
■定休:展示替え期間
■TEL:076-222-1025
泉鏡花記念館

ひがし茶屋街のイベント

※富山県富山市八尾町に伝わる「越中八尾おわら踊り」の「女踊り」はひがし茶屋街が源流とされ、たおやかで上品な身のこなしが特徴です。2009年4月、ひがし茶屋街で「おわら踊り」を披露しながら練り歩く「八尾おわら流し」が開催され、大勢の観光客らが風流な雰囲気に酔いしれました。
ぼんぼりの灯りに照らし出された紅殻格子を背景に、三味線や胡弓による哀調に合わせて踊り流しが行われました。