ひがし茶屋街は文政三年(1820)に12代藩主、前田斉広(なりなが)の許しを得て、金沢に点在していたお茶屋を集めて、公認の遊里として誕生させたのが始まりとなります。
その当時は約百軒以上のお店が軒を連ね、茶街一帯が板塀を囲われ、街の入口として木戸が設けられるなど、別天地ともいえる金沢の歓楽地として大いに賑わっておりました。
度々の建築や建物構造の法令改正でも、ほとんど変わることなく、格子戸や大戸、格式ある二階の造りが高い街並みは現在でも藩政時代の面影を残しています。そしていま、ひがし茶屋街は国の「重要伝統的建造物群保存地区」に指定されています。
俗に玄人の文学と呼ばれる、真実を問う文学者、秋聲の記念館です。その文章の技巧の高さとともに、様々な視点からの描写、とくに庶民の生活に密着した作風を特徴としています。また、女性の生き方をテーマに、女性を描くことの上手い作家としても知られています。
■料金:一般300円、65歳以上200円
■営業:9:30~17:00(受付は16:30まで)
■定休:催し物による
■TEL:076-251-4300
徳田秋聲記念館
全国で初めて旧町名が復活した町である主計町(かずえまち)は、ひがし・にしとともに金沢の三大茶屋街と称されております。川のほとりに料亭や茶屋が立ち並び、街中でありながら静かでもの優しい空間となっています。迷路のような狭い路地など、異世界とも思える空間が広がっています。
金沢を代表する文豪のひとり、情緒的で耽美な作風の文学者、鏡花の記念館です。鏡花は江戸文芸の影響を深くうけた怪奇趣味と特有のロマンティシズムな作風を多く残しています。この記念館は鏡花が幼少時代を過ごした生家跡に建ち、鏡花の作品や生活を窺い知ることができます。
■料金:一般300円、65歳以上200円
■営業:9:30~17:00
■定休:展示替え期間
■TEL:076-222-1025
泉鏡花記念館
※富山県富山市八尾町に伝わる「越中八尾おわら踊り」の「女踊り」はひがし茶屋街が源流とされ、たおやかで上品な身のこなしが特徴です。2009年4月、ひがし茶屋街で「おわら踊り」を披露しながら練り歩く「八尾おわら流し」が開催され、大勢の観光客らが風流な雰囲気に酔いしれました。
ぼんぼりの灯りに照らし出された紅殻格子を背景に、三味線や胡弓による哀調に合わせて踊り流しが行われました。